生きやすいとか,生きにくいとか.~2019年の振り返り~

まずは2019年の振り返りから.

恒例のポエムコーナーは文末にて.笑

 

今年も「個人的今年の漢字」の記事にしようと思ってたのですが,「生・成」の2択から選ぶことができなかったのでやめました.まァ研究でテストパターン生成し続けた1年だったので2つともでもいいかという感じではありましたが...!

 

各々,今年も本当にありがとうございました.

来年もよろしくお願いいたします.

良いお年を~~~!

 

【個人的2019年】

1月.

安養寺に出会う

このお寺の人生経験豊富な住職から学ぶことはたくさんあり,今も足繁く通っては多くの知識経験を提供していただいている.今夜も除夜の鐘を撞きにいく.

 

2月.

日本の寒さから逃れるためにまるまるひと月オーストラリアに亡命

帰りの航空券以外は何の計画もなしに単身,日本語の通じない国へ転がり込んだ.最初は,小学校からの付き合いで留学4年目の親友を頼ってNSW州シドニーに滞在.そこで一通り移動手段の基礎や飲食店でのオーダーに必要な最低限の英語,カジノでの稼ぎ方を教わって一週間を過ごした.ずっとシドニーにいるのももったいないので彼と別れてタスマニアホバート,ローンセストン,デボンポートを転々とし,最後の一週間はシドニーに並ぶ大都市,VIC州メルボルンで過ごした.これまで2週間以上海外にいるということがなかったということもあり,本当に新鮮で印象的な出来事だった.

 

3月.

奈良県COC+事業のシンポジウムに奈良高専代表として登壇奈良県立大,奈良女子大とのつながりの他,大和郡山の企業の社長ともつながりができて後日ご飯に連れて行っていただいたり地元の弟の進路相談にも乗ってもらったり.壇上でこれまでの就活文化や利権に対してカミついた僕は,その後の懇親会で賛否両論あらゆるフィードバックが得られた.初めてつまらない大人たちがくれる自分への否定が心地よく感じることができたこのイベントは,自らの生きていく方針を決めていく上で重要な分岐点になったと思う.

 

4月.

シンポジウムの一件もあり有頂天,天狗になっていた僕は人生で初めてとも呼べる挫折を経験する.僕はPHAZEから派生したとあるプロジェクトのマネジメントに失敗し,これでもかという好待遇が与えられた環境の中で売上を出す土俵に立つことすらできずに解散を告げられた.終わって気付いてみれば,リーダーの立場でありながらろくにチーム作りもできなかったくせにどこか心の中で「メンバーが自分の思い通りにならないせいで上手くいかないんだ」と他人のせいにしていた自分がいて,激しい自己嫌悪に陥る.自分が恥ずかしくなって,髭も剃らずにしばらくの間は呆然と過ごしていた.

 

5月.

上述の挫折に続き,それを上回る悲劇に出くわす.ここには書けないが,嫌な夢を何度も見た.楽しいことももちろんあったはずなんだけどいまいち記憶にないし携帯に写真もほとんどない.

 

6月.

奈良先端科学技術大学院大学アントレプレナーシップ育成プログラム,GEIOTに参加

前の月までの虚無感を拭いきれないままではあったが,いつまでもベッドの上で寝てるわけにもいかないので一度決まった予定をこなすことに専念した.NAISTの素敵な先輩たちとチームを組むことができ,最年少ながら再びリーダーの役職に就くことに.4月の失敗を繰り返すことのないよう「利他自責」に基づいて全ての判断を行なえるように努めた.

 

7月.

保存されている写真が多かった.#サシメシ を掲げて,新たなつながりを増やしていくことよりもこれまで出会ってきた人を大切にして,ご飯に行ったりビジネスプラン創出のためのヒアリングに赴いたりした.寮の後輩,春先に出会った台湾の留学生,本科時代の非常勤の先生,PHAZEでお世話になった社長などなど多くの人に会いに行った.

GEIOTの最終ピッチでは優勝を果たして,再び自信が持てるようになってきた.

 

8月.

安養寺童子として,お盆の期間中毎日お寺のお墓ひとつひとつに提灯をつるし点火するお手伝い.家が生粋の無宗教でこの歳にして一度もお墓参りにいったことすらなかった僕は,お寺でのお勤めを通して人が「生きる」とか「死ぬ」ことについて初めて真剣に考えることができた.

 

9月.

7年続いた高専生活最後の夏休みはアホほど遊んだ.

夏休みの終わりには,今となっては誰もが知る大企業となった事業の創業者の方と食事させていただく機会があり,多くのことを学んだ.教育と技術と地方創生の繋がりに関連して,はっきりと自分が人生をかけてしていきたいことへの道筋が見えてきた.

 

10月.

(味覚的に)上の世界を知る一か月だった.10月も正直夏休みの延長みたいに過ごしてしまったのでとりあえず食った絶品和牛の写真でも貼っておくか.マーベラス

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11月.

22歳になった.

NBKニュービジネスアワード2019という一般向けビジネスプランコンテストで最優秀賞を受賞することで,GEIOTで仕込んだ種に花を咲かせることができた.ひとまず今年やらなくてはならないことは終えられたかなという感想.これが箔となったか,もらえる名刺も増えたし外部からメッセージや依頼相談を受けることも増えた.

 

12月.

今月はシェアハウス内外で色んな事があったが,自分にとって最大の出来事はNAIST起業部代表の拝命だろう.寮の大先輩が1年前にNAIST内に偉大なコミュニティの礎を築き上げた.そもそもそのお話がきっかけで6月のGEIOTにも参加することができた.そんな起業部を1年余りで任せていただけたことのきちんと重みを受け止めて,先輩たちが始めてくださったことをスケールさせながら先に繋げていきたい.来年の活動がとても楽しみ.

 

【今年最後のポエムのコーナー】

出会ってきた人の中には「世の中が生きにくい」と声に出して言う人がちらほらといた.

そんな人たちと話すと「みんなが君みたいに強くないんだよ」と言う.

僕の嫌いなセリフだ.

まるでその「強い」人たちが何の努力もせずに,ただ生まれと育ちの違いだけで世の中に適応しているかのように聞こえるから.

自分は「弱い」から,今後も世の中に適応していけないんだと,可能性を真っ向から否定しているように聞こえるから.

 

「歩」が成ったら「と」になることを知らない人間が将棋で勝てるわけがない.

世の中のルールを知らずして,世の中を上手に生きていけるはずがない.

僕はこの資本主義の日本で社会人になると決めたわけだから,世の中のルールを身につけられるよう努めてきた.

時間と約束を守るのは当然,ずっとニュースは見てるし,知らなかった歴史や言葉は調べるし,読み方のわからない漢字に出会ったらメモしてる.

とくに高専生の多くは,いわば世の中のルールを学ぶ科目である社会科を敬遠しており,自らが解き放たれていく社会の構造に興味がない.

そのくせして「生きにくい」じゃないんだよ.

 

世の中にはこんなに多くのルールがあって人がいて思惑があって嘘が飛び交っているのだから,丸腰で楽に生きていけるわけないでしょ.

自分がどの世界で生きていきたいのか?

それが必ずしも時間と仕事に追われ続けるような日本のビジネスの世界である必要はもちろんなくて,アーティストの世界かもしれないしアスリートの世界かもしれない.

なんなら日本で生きていく必要すらない.

そうやって自分が生きていく世界を見定めて,その世界に適応するか,変えていくだけの力を持つかどちらかしか生きやすい道なんてない.

 

「みんなが君みたいに強くないんだよ」

冗談じゃない.

こちとらこないだ「お前は目立つんだ」って理由でクソジジーにイビられてんだ.

自分のことが嫌いな人間は大勢いるし,その事実を知ってしまった後に自分を保っていこうと思ったら生きやすく生きるために考えるしかない.

「生きにくい」とか言ってる暇があったら,とりあえずやらないといけないことやろや.

 

自戒の念も込めて.