政治はわかんないけど国会議員には文句が言いたい

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っていうツイートをしたら,思いのほか

自民党支持者だと思ってた

立憲民主党きらいじゃなかったっけ

みたいな事を言われたので,今日はこんな記事を書きました.

 

僕には支持政党はありません

首長選(市長選,知事選)以外は白紙投票をします.

(面倒な議論を避けるため「した」とは言いませんが,ちゃんと選挙権は行使してます)

 

僕個人は基本的に政策はなんでもいいと思ってます.

消費税は10%でも3%でも払うし,

検事長や私大の学長が首相に忖度しててもしてなくても構いません.

ましてや政府主催の宴会にかかった費用や官房長官のおやつ代なんかまじでどうでもいい.

常に,ケースごとに政策によってより生活が困窮してしまう人たちの意見が尊重されればいいなと思っています.

 

もちろん個人的に

ガソリン税が安くなったら嬉しいなあ,とか

学生のうちに国民年金制度なくならねえかなあ,とか

そう思うことはありますが,

どのみち全ての意見が合致する政治家の公約を見たことがないので,

議員選は白紙で出します.

(絶対そうと決めているわけではないとも言っておきます)

 

それ以上に国会議員には求めることがあります.

本題は3章からなので,飛ばしてもらっても構いません.

 

 

1.中学公民の授業を寝てた人向けの日本の政治制度のおさらい

 

まず日本は立憲国家です.

これは,日本政府による統治が憲法という制限の下で行われることを意味します.

 

この日本国憲法三大原理から成り立つと言われています.

基本的人権の尊重(自由主義),

国民主権民主主義),

平和主義の3つですね.

 

これらの原理の遂行のための仕組みの一つとして,三権分立が運用されています.

行政権立法権司法権という極めて強い国家権力を

それぞれ独立した機関に与えることで,

いずれかの権力が濫用されたりしないよう

お互いに監視できる仕組みです.

 

何が正しいかということは人によって違います

宗教で説かれていることがこの世の全てだと思っている人もいれば,

病人が多くても死者がいない世の中こそ幸せだと思っている人もいれば,

死刑執行数を増やして見せしめることが平和につながると思ってる人もいます.

となると,全ての人が自由であったときにどこかで必ず意見の衝突が起きるわけです.

 

世界中を見れば,

一人の王様が正しいと言ってることが正しい(専制),とか

多くの貴族が正しいと思ってることが正しい(貴族制),とか

宗教の経典が正しいと書いてることが正しい(神権制),とか

様々な決め方がそれぞれの国家に存在します.

 

その中でも日本は議会制民主主義の国なので,

多数決で選ばれた人たちがつくった法律によって

この国では何が正しいかが指し示されます.

発生した意見の衝突に対してどちらの言い分が正しいかを,

法律に照らし合わせて決定するのが裁判です.

 

大袈裟に言えば日本が民主主義を掲げる以上は,

それがどんなに気の狂った意見だったとしても

そう思う人が多いのであれば

それがこの国の正しいことになります.

 

2.最近のTwitterを見てると「自分の意見」が「この国の正義」だと思ってる人が多い

 

一般の国民は,政治に関して

選挙に行く

「(意見がある人は)自分の意見を発信する

ということを積極的に行うべきです.

むしろこれ以外にはありません.

 

2.1.選挙に行く

選挙に行く」ことには重要な意味があります.

当然,どの年代の人がだれに投票したかという正確な情報は存在しませんが

どの年代の人が投票に来たか,という情報は公開されます.

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/

 

リンク先のグラフを見て,もし自分が候補者となって当選を狙うとしたら

どのような政策を公約として掲げますか?

投票率で比べなくとも,ただでさえ日本は全体数として高齢社会なので

60歳代の人が食いつくような政策を掲げるのが一番手っ取り早いのは

火を見るより明らかです.

 

極端な話ですが,このように政治家は

年金受給額アップ!

高齢者の医療負担ダウン!

などと高齢者に有利(≒若者に不利)な政策ばかりを掲げるようになってしまいます.

 

ゆえに政治の公平性を維持するために,

僕のように支持政党がなかったとしても「選挙に行く」ことが重要となります.

 

2.2.自分の意見を発信する

自分の意見を発信する」ことによって,

政治家たちは自分たちの当選のために,

より多い意見を公約やマニフェストに掲げることができます.

自分の意見を国政に反映させるためには重要なアクションです.

 

しかしそれはあくまで「自分の意見」でしかない,ということが

今回最も声を大にして言いたいことです.

繰り返すようですが,何が正しいかを決めるのは法であり,裁判所なのです.

 

○○が正しいと思う

と発信することは大事ですが,

法的根拠や判例も示さずに

○○が正しいからお前は間違っている

等と誹謗中傷することはただの基本的人権の侵害です.

 

あなたの意見はただのあなたの意見なので,

その押しつけをやっているといつまでも議論になりません.

裁定は最後には裁判所がやるので,

その主張に懸ける熱量があるのならば

裁判所にも聞いてもらえるような根拠を用意しましょう.

 

ただ,もちろん僕も含め世の中の多くの人が法的根拠や判例を熟知しているわけではないし,誤った情報を与えられることで自分の意見を決めてしまう人もいるので,事実をベースにした議論や指摘は必要となってきます.

 

3.国会議員の仕事

 

さて,この国で最も議論の内容が重要になるのは国会です.

国民の直接的な多数決で決められるのは法案でなく「法案を決める国会議員」なので,

当の国会議員たちの責任は非常に重いことは明白です.

その重責に伴い様々な特権や高給が与えられています.

 

彼らの行うこの議論においては明確に「する」「しない」の答えを出す必要があります

クラス会のように「じゃあ次回~」で許されるような議題はそうそうありません.

答えを出す議論を行うには,主張がより多くの納得を得る必要があります.

 

大前提の「何が正しいかということは人によって違う」ということさえ理解できていれば,

多くの納得を得られるであろう意見が「事実」に基づいた意見,発案であることがわかるはずです.

 

三者調査の結果,○○の職に就く○○%の人がこう答えています

この病気にはこの薬が有効である科学論文が出ています

このケースにおいては過去にこういった判例が出ています

といった意見が必要なのであって,

 

あなたへの忖度に思えてならない!

存在そのものが国難だ!

国民はみんなこう感じているに違いない!

というような発言は全くの不毛,小中学生レベルと評価せざるを得ません.

中学生の国語の「ディベートしてみよう!」の時間の方がマシです.

 

事実のみを基にした議論でさえ様々な解釈や意見があり,

その中でより多くの国民にこたえる議論を行うのが議員の仕事です.

国権の最高機関たる国会に相応しい議論をするべきです.

その議論の域に達していない喧嘩や野次は小学校に戻ってやっていただきたい.

 

国会議員の仕事は,

国民の代わりに議論すること」であって,

お前の意見を押し通すこと」ではないのです.

与党も野党も関係なく,ケースごとに議論を充実させることに徹するべきでしょう.

 

主張が正しいと常に判断される人はいません.

結果的に与党が失敗したケースもあれば

野党の推測がとんだ的外れだったケースもあるでしょう.

議論を充実させ,立場と根拠を明確にすれば

その情勢時々によってより適した政党や政治家が台頭するようになります.

 

その役割と重要性を考えれば,特権も高給も受け取ればいいし,

豪華絢爛で贅沢な暮らしをしてもいい身分だとは思いますが,

役務を果たせない時には給料の返還とか休むとかじゃなくて

さっさと辞職して次の人に代わってほしいとも思います.

いくらでも優秀な人いるので.

 

一般に,代謝をあげてTry&Errorの回数を増やした方が

全体的な質,レベルの向上が期待できます

 

今のように

”不明瞭や紛失が頻発し,政権の資質は疑われるが,

 対抗野党がろくな根拠や対案を持ってこれずに何も変わらなーい.

 何も思いつかないからとりあえず審議拒否して邪魔はしてみるせいで

 即決即断が求められる案件があっても,すみやかな決定ができてなーい.”

といった状況は即刻抜け出すべきです.

 

 

このツイートにおいては,立憲民主党の主張を支持したわけではありません

このツイートの動画に切り取られている部分に関しては,

これまでの主観的で横暴な主張と異なり

論者が議論に足る根拠を基に主張をしていることに対し評価したまでです.

 

その主張が正しいかどうかは,僕ではなく

碩学であらせられる(はずの)国会議員,

あるいは提訴するならば裁判官の方々が議論し,

判断を行えばいいと思います.

 

ついでに言っておくとこれは中学校の社会で習いましたが

検察庁は行政機関なので

検事長の一人がどうなったとしても三権分立の構造には直接影響しません

検察制度の根幹を揺るがす事態だ!

という意見は意見として認められるべきですが

三権分立の崩壊に直結する

という主張は誤りです.

検察が司法権を握っていると勘違いしている方は恥ずかしい思いをすることになるので十分お気を付けください.

 

4.というわけで僕が政治に関して思うこと

 

という根拠から,僕は冒頭で述べた通り,

僕個人は政府の政策がどのようなものでもいいと思っています.

全戸にマスク2枚投函するのでも,

国民全員分の10万円をその世帯主に振り込むのでも,

緊急事態宣言解除を5月末まで延期にするのでも構いません.

 

ただしそれは

その政策が議員,有識者,専門家によって

事実に基づいてなされた議論の結果である

ということが前提です.

 

なので僕は自民党だろうが立憲民主党だろうがチョコレー党だろうが

議員には事実と主観の区別を明確にした実のある議論を求めます.

この部分への理解がない人はそもそも議員には向いていないのです.

 

環境大臣ともあろう国会議員がメディアに対して中身もなく論理的ですらない説明をしたときとか,

野党第一党の副代表が自らの説明責任を果たすことなく他人に説明責任を求めるような説得力皆無の発言をしたときとか,

政党の幹事長が民間の専門家の話を遮って自己主張をしたときとか,

そういう振舞いに対して議員の資質を疑うことになります.

 

代謝を上げるべきと前項で述べましたが,

このグローバル化,国際連携が進む国際社会においては

国としての主張の一貫性はある程度担保されるべきだと考えます.

 

早々に国会の議論レベルを成熟させ,

信頼感のある政権運営が実現されることを期待します.

 

という感じで中学校の社会科公民で習うことを基に

論点の整理を行なってみました.

とはいうものの政治に関しては全くな門外漢なもので,

何か間違いがあった場合には優しくご指摘いただきたいと思います.

 

おしまい.