シェアハウスのすゝめⅡ

僕がこれまでの人生を通して最も重要な5年間を過ごした学生寮を退いて早半年が過ぎ,同時にメンバーとの共同生活も第1四半期が終了したことになる.

 

ありがたい事にこのブログは僕が想定していたよりもいろいろな人に読んでもらっているようで,SNS上で繋がっていないはずの人やまさかという人にまでシェアハウスへのコメントや記事の感想をいただいたりする.何が言いたいかというと「寮出身の専攻科生たちが一軒家でシェアハウスを始めたらしい」という情報はある程度の勢いを持って世間に飛び出していたということだ.

 

実は「自分たちも卒業したら共同生活しよう」という後輩たちの話が風に乗って耳に入ってきた.結構なことだと思う.楽しいもん.寮みたいにルール厳しくないし.しかしシェアハウスの特徴は「毎晩が修学旅行」であるというだけではない.近頃僕らが電力会社のいざこざに頭を抱えているように,困難の可能性も多く孕んでいることは否めない.今回はこの半年で得たシェアハウスの発見について述べていきたい.

 

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【生活系】

家事は寮生時代の習慣を引き継いで週番制度を採った.その週の当番が”ゴミ出し”,”洗濯”,”掃除”などの決まった分の家事を一括して担当する.このあたりは全員が寮生出身だったことがスムーズなルール決定をする上で都合がよかったと思う.

 

全員が家庭教師や塾講師,飲食や現場系などのアルバイトをしている.その為,家事の中でも炊事だけは決まったローテーションを実現することが困難であったため,当日やその前日に担当者が決まる仕組みとした.

 

関連してCosta Ricaくんを紹介しよう.Costa RicaはLINEのAPIを用いて作成された,僕らの炊事当番の管理をしてくれる非公式botのようなアカウントである.コマンドに応じて様々な処理を実行し表示してくれる.レンタルサーバ保有しているぐう有能なメンバーの1人が開発,運用を行なっている.

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↑とても情報工学専攻らしいですね

 

僕らのシェアハウスはとても生活がしやすいと言える大きな理由が機動力だと思う.僕らは4人で四輪1台と400ccの二輪2台を所有している.普通免許は全員が持ってる上に,大型自動二輪が1人,中免も他2人が取得済みなので必要に応じて買い出しや送迎,外出に対応できる.住所がいわゆる駅チカでない限り,これらの足のない生活はかなり苦しかったと思う.

 

家賃,光熱費,通信費....月々の出費自体は割り勘すると一般的な1人暮らしと大差ないが,前述の自動車の維持費に加えて敷金礼金等も合わせると結局2年間のトータルで馬鹿にならない金額がかかっている.専攻科の学費が一般的な学部の半分以下なのでそれほど実家に負担をかけているわけではないが,やはり自分たちのバイトなどで補えるところは補っていきたい.2人で住めるアパートなどであれば居抜きで家具がそのまま使えたり敷金礼金が必要がなかったりで初期投資を大幅に抑えられるケースもある.

 

メンバーコーヒーか紅茶を趣味にしている人を入れよう!普段の談話時間が一段と素敵なものになることをお約束します!!(イメージはページトップの写真)

 

メンバー席次1位の人を入れよう!テスト前やレポートの締め前日にありがちな心身の負担が,大幅に軽減されることをお約束します!!()

 

 

自治体系】

当初は慣れないゴミの出し方について苦労したことを覚えている.大和郡山市では”だいたい全部燃えた”のに対し奈良市の分別区分は厳密で,さらに一般ごみと資源ごみの出し方も異なる.月に一度しかない資源ごみの回収を逃して缶やペットボトルの袋が玄関に溜まっていたこともすでに幾度となくある.

 

ご近所付き合い(?)はうまくいってるように思う.一応自治会に加入はしているが「学生さんしか住んでいないし」とのことで会合などの参加は免除していただいているようだ.最近では仲良くなった近所の小学生くんたちが家に上がり込んでうちのカブトムシいじったり一緒に”スマブラ”してるなんてこともある.

 

 

【住宅系】

僕らの住居として選ばれた家はLDKの他に全員に1部屋ずつ個室を与えてもまだ部屋が余るような豪邸だが,築年数が30年近いこともあり,入居後に改修を行わなければならないような箇所がいくつかあった.もちろん賃貸なので手配,改修費はすべて大家さん持ちとはなるが,”水道が使えない期間”などがあったりするので気になる人はそういうところも調べておきたい.

 

家が広いとあちらこちらに汚れがたまる.全面掃除機をかけることくらいなら日常的に可能だが,しばらく触らないところを開けたりするとカビやホコリでいっぱいだったりする.家が汚れてても気にしないメンバーしかいないなら放っておけばいいかもしれないが,生憎そんなことはなく定期的に客人も来てくれるのでできる限り清潔を保とうと奔走している.

 

ライフライン系統は議論の種となった.言ってしまえば”使った分払えばいい”だけではあるが,その契約会社によって利便性や支払いの透明性は大きく変わってくる.都市ガスとプロパンガスでは値段も異なるし,うちで契約していた電力会社なんかは検針票を一枚たりとも送ってくることなく事業撤退による契約解除を告げてきた(請求書だけ契約解除後にジワジワ送られてきた).畜生.

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↑請求が届く前に事業撤退とは...全員で腹抱えて笑った

 

 

【結局一番大変だったこと】

結局のところ,人数や住宅の種類などを問わず,最も困難となることが多かったのがそれぞれの家庭の事情だろう.僕の家は昔から放任主義で,金が必要になることでも基本的に一任されて育ったが,全員の家がそうであるとは限らない.生活の基本は5年間共にした寮生活の賜物として共有されていたが,やはり住居や家具の選択,車の所有などに関しては僕らの希望全てにゴーサインを出せない家庭も当然のようにあり,メンバー家庭の特色と自分たちの希望を照らし合わせて現実的な意思決定を心がける必要があった.このように家庭の違いによってシェアハウスの大きな意思決定に本格的な議論が必要であっことは一番大変だったことと言えるだろう.

 

 

【最後に】

Costa Ricaくんにしても毎日淹れたての美味しいコーヒーが飲めるにしても,それぞれ得意なことをしっかり持ったメンバーがそれを持ち寄れる空間があったことにまず感謝.これまでの半年間,快適なシェアハウス運営における”困難”が,例えば”家庭の事情”であったり何らかの外的要因であったとしても,メンバー間で議論を重ねて折り合いをつけ,最適な着地点を見つけてきた(つもり).これからの1年半もこうありたいと強く願っている.もし,これからそれぞれの友人たちと本格的な共同生活を計画している人がいれば,”全員の納得まで議論ができる仲であれ”とアドバイスしたい.世の中には雰囲気が議論っぽくなった瞬間にその場を投げ出すような奴も多い.そういう奴とは友人にはなれても一緒に住むのは無理でしょ.よければこの記事や前記事も参考にしていただいて,試行錯誤しながらちょっと珍しい学生生活を送ってみよう.b

 

前記事もよろしくね

ai-together.hatenablog.com